現在、医療制度は、次第に在宅療養の方向へ向かっています。
それにつれ、訪問マッサージの需要が多くなってきており、これから大幅に伸びる業種となってます。
これは、日本の人口統計(平成20年度)をみると、4人に一人が高齢者となり、高齢者の増加とともに、施設入居者や在宅のケアを必要とする、寝たきりの高齢者が年々増えてきたからです。
しかも、高齢者を支える医療体制の中で、病院の入院リハビリの期間が180日間で打ち切られるようになったため、リハビリ期間打ち切り後の、訪問マッサージが欠かせないものとなってきてます。
このように、日本の人口の高齢化と、リハビリの治療期間の設定によって、訪問マッサージへのニーズが高まってきています。
ところで、訪問マッサージの多くが、リハビリとマッサージを組み合わせ、そして、名称もリハビリマッサージとして、展開している事業者が多くあります。
これは、マッサージによる施術で、血行の循環を高め、筋肉の緊張を和らげ、筋萎縮の予防や改善、そして、むくみや痛みの改善を行い、そしてリハビリの施術により、自動運動、他動運動を行い、関節が固まるのを防ぎ、硬くなった関節を動かせる範囲を広げるようにしているからです。
このように、訪問マッサージの業務内容は、以前のマッサージ中心から、患者の自宅を訪問して、リハビリマッサージ(身体の機能回復を目的としたマッサージ)を中心に行うようになってきました。
これは、治療に対する考え方と、痛みの対処への考え方、への変化にもなっています。
従来、病院で診断や手術の後に、「後は、リハビリで治療」ということになり、患者はリハビリに専念するようになります。
しかし、きちんとしたリハビリのゴールの設定と効果の検証がなければ、患者にとって不安になってきます。
効果があがらないと、リハビリ期間の延長、という結論だけが残ってしまうからです。
リハビリで通院しているうちに、「長く通わなくてはいけないのかな・・・?」とか、「治療効果が、あまり感じられない・・・。」と、感じてしまいます。
また、回復意欲が強い患者にしてみると、リハビリしているという意識だけが先行し、効果は二の次、三の次と言うことになりかねません。
リハビリには、自己鍛錬の意識が必要ですが、その事が結果的に、リハビリ効果は、患者にとって自己責任となってしまいます。
訪問マッサージの場合は、患者と対面サービスのため、患者との人間的なコミュニケーションをとる事で、安心感を提供し、心理的効果も考慮するようになりました。
マッサージによるスキンシップと共に、コミュニケーション効果を図り、 孤独感やストレスの緩和、そして、信頼関係の構築と精神的ケアも、治療の対象とするようになりました。
もう一つが、患者の痛みへの対処の考え方の変化です。
痛みは、リハビリを阻害する最大の要因となりますが、これに筋肉の緊張が加わると、リハビリの効果を阻害する大きな要因となります。
リハビリで最大の効果を得るためには、まず痛みを軽減させることが第一歩となります。
実際、痛みが軽減すると、日常動作の範囲が拡大し、動作の自由のみならず筋力も戻ってきます。
この事は、もちろん、急性期の痛みだけではなく、慢性の痛みでも、同じ現象が見られます。
ですから、まず痛みを軽減させ、日常生活を送れることが最優先となり、高齢者の慢性痛を軽減する方法は、主要な課題となります。
リハビリマッサージの場合、マッサージ効果を利用して、血液循環を促進し血流を改善し、合わせて、むくみや床ずれの予防も行い、それと同時に、筋緊張の緩和 筋肉の状態を改善し、痛みや痺れの軽減を図るようにしています。
このように、リハビリマッサージは、凝り固まった筋肉を緩め、柔軟にして痛みやしびれを改善させることにより、リハビリ効果を上げようとしています。
マッサージ効果によって、硬くなっている関節の組織を緩め、周囲の筋肉や靭帯の血行を促し、栄養状態を改善させることにより、関節が伸びる範囲を少しずつ広げ、それにつれて、座ること、立つこと、歩くことや身の回りのできることが増え、ADL(日常生活動作)の向上が期待できます。
リハビリに専念している方は、マッサージの効果も試してみては、いかがでしょうか?
当院では、筋緊張の軽減、関節可動域や筋力などの局所機能の回復、疼痛の低下などを目的に施術することを基本治療としています。
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