履歴書

久しぶりに履歴書を書いた。

じつは僕は一度も就職活動の経験がない。

学生時代のアルバイトがきっかけで、そのまま居ついてしまったのが、いまの会社という流れである。

もともと実家が自営だったのに加え、いわゆる大会社というものが嫌いだったせいもある。

理由はよく分からないが、丸の内のようなオフィスには行きたくないと子供の頃から思っていた。

今回は、「年末年始のアルバイト」という事情である。
生活費も含めた資金稼ぎのためである。

その面接会場には募集多数ということもあって、大勢の男女が来ていた。

学生と思われる人が半分、20代半ばから50代の人が半分。

一般に、若いからといって遊びのためのバイトとは限らないし、歳をとっているからといって借金返済のためのバイトとも限らないのだが、ただ言えることは、みんな多かれ少なかれ明るさや覇気があるということだ。

当たり前かもしれないが社員の人たちより、活気があった。

そう言えば、かつて先代の社長が言っていた。
「『無限力』君よ、仕事なんてものは眉間にしわを寄せて必死になってやるもんじゃぁない。面白おかしくやってこそ仕事なんだぞ」。

先日ラジオを聴いていたら、漫画家の赤塚不二夫のエピソードの紹介で、「もっと真面目にふざけなさいっ!」と言ってスタッフに注意したという話があった。

長い悠久の宇宙の時間の中、わずかな人類の歴史の中のほんの一瞬のうちで、時代の価値観なんて、それほど意味を持たない。

「必死」に生きるより必死に楽しく生きようかとも考えた。