江戸川区小岩 - SNS地域コミュニティ

試行錯誤


長男があれほど夢中になっていた野球をやめたいといってきた。

監督の練習についていけないらしい。

そこで、長男と二人きりで対峙し、まずは、彼の主張を30分ほど聞いてみた。

具体的には・・・

1 ミスしたり、試合で負けるとると校庭を走らされること。

2 すぐに罵倒すること。

3 うまい子しか試合に出さないこと。

が不満らしい。

「甘え」が見え隠れするものの、子供の主張としてはごく自然のものだとも言える。

そこで、ソクラテス的対話法でしばし、対話してみた。

「たとえば、試合に負けて校庭を走るのは次の試合への勝利にはつながらないと思うのかい?お父さんは野球に関しては素人なので、よくわからないが、どう?」

「うーん。つながらないわけじゃないと思うけど・・・」

「たしかに、ノックや素振りをやったほうが、いいのかもしれないが、足腰も重要だろ?」

「そうだね。」

「で、ミスしたときに走らせるのも足腰が基本だからじゃないの?」

「そう。」

「では、走り込みを徹底的にやるのは悪くないんじゃない?」

「はい」

1の不満はあっさり解消

「罵倒するって言うけど、殴ったり蹴ったり、ましてや素っ裸で校庭を走らされたりするわけじゃないんだろ?」

「そうだけど・・・」

「罵倒するのはチームを強くするためにはしょうがないと思うけどなぁ・・・お父さんなんか、もう30代も半ばだけど巣鴨いけば、CEOや先輩には激しく叱咤激励されるし、しゅうた先輩にはしょっちゅう罵倒されてるよ。でも、強くするために必要だから叱咤し、罵倒するんだよ。相手のことを強くしてやろうと思わなければそんなことしないよ。で、どうなんだい。チームは実際強くなってきているんだろ。」

「うん。」

「もしね、殴ったり、蹴ったり、素っ裸で校庭を走らせたりということが行われるんだったら、それはお父さんが監督のところに行って、事情を聞いたり、やめさせたりということをするかもしれないけど、罵倒するのはよくあることだよ。これから先、いくらでもそんなことあるよ。30代半ばにしてもあるだから。まぁ、強くなるためにはしょうがないんじゃない?」

「はい」

2については、実体験に基づく話だけに相当な説得力を持っていたらしく、至極納得していた。

「で、お前が監督だったら、下手糞な奴を試合に出すのかい?」

「下手糞だったら出さないけども、一生懸命やっている子は出して欲しい。1、2年のときの監督はみんなを試合に出してくれたよ。」

「なるほどね。確かに、みんなが楽しく出来ればいいじゃん。という考え方もあるよな。でも、この前の6年生を送る会で、お父さんも行ったけれども、なんか来賓挨拶に立ったろくすっぽチームの練習を観ていない太った連盟の役員が、春季小岩大会で優勝できたのに、秋季大会で優勝を逃したのは残念でならない。気のゆるみが合ったのではないか。練習量が足りないのではないかと思うが、監督!コーチ!選手諸君!どうだ!!と無責任な檄を飛ばしていただろ?」

「はい」

「あのデブッチョは練習をみにきたことがあるのかい?」

「いえ、ありません。」

「だろう。にもかかわらず、優勝できないとあんなことを言われちゃうんだぜ。監督にとってはたまらないと思うぜ。お父さんが監督だったら、お父さんは協調性がないからあんなことを言われたら、あの場でマイク握って、練習を観にきたこともないのに練習不足とは失礼ではないですかぁ・・・ぐらい言っちゃうよ。そして2度とあのデブッチョを来賓では呼ばないよ。でも監督は何も言わなかっただろ。」

「はい」

「なかなか監督も大変なんだよ。もっとも、お前があの監督を嫌いでついていけないというならチームを辞めたってかまわない。その代わり、江戸川河川敷のリトルリーグに入れよ。ただ、リトルリーグはもっともっと厳しいと思うよ。登校前の朝練だってあるかもしれないぞ。お父さんの友達でリトルリーグで活躍していた友達がいたよ。中学・高校と同じ学校になった奴だけれども、小学校のときから噂を聞いていたよ。足も速いし、けんかも強い、リトルリーグでも活躍していると。しかしだね、高校は入ったら、補欠だよ。中学まではスター選手でおそらく補欠になったことなんかなかったであろう彼が補欠だよ。悔しかったろうと思うよ。お前も補欠になるのはいやなんだろ。」

「はい」

「でも今の実力でリトルリーグに入ったら、間違えなく補欠だよ。ましてや、野球の強い学校に入ったら、お父さんの友達ですら補欠だったんだから、レギュラーをとるのは難しいぜ。」

「はい」

「でもね、レギュラーの奴はそれはそれで面白く野球をやっているだろうけれども、補欠だったのが、レギュラーになったときの喜びはとてつもなく大きいよ。今は補欠だけれども、レギュラー目指してがんばるんだよ。そこにも野球の面白さがあるんだよ。レギュラーに入れたときの喜びは大きいぞ。」

「はい」
このあたりで、彼自身の中で進路はほぼ決定付けられているのだが、理屈っぽい小生はさらに畳み込んでいく。

「まぁねぇ・・・野球が詰まんなくなったというのだったら野球をやめてもかまわないよ。あんな玉持って、投げて棒振り回して何が面白いのかね。お父さんはそう思うよ。仲間だかなんだか知らないけども大勢でごちゃごちゃやるのも、たまんないよ。お父さんはね。ただね、野球をやめるんだったら、柔道をやらせるよ。これは、お母さんがなんと言おうと、お前が嫌がろうと、お父さんの教育方針だから。お父さんはお前を一人前の男に育てる責任があるんだよ。玉学のおじいちゃんとおばあちゃんはお父さんを曲がりなりにも一人前にしてくれたよ。仕事、家族、家、車をもって、それなりに暮らしていれば、まぁまぁ一人前といえるだろう。おばあちゃんは、いろんなことをためさせて、その中から、お父さんにあったものを選択させる、という教育方針だったから、エレクトーン、お習字、公文、スイミング等々いろんなものをやったよ。
その中で、中学のときに始めた合気道に夢中になって、10年続けたよ。そのスタートがあったからこそ、いまの充実した柔術ライフがあるんだよ。今日も朝練してたろ?おまえらが惰眠をむさぼっていたときに。」

「はい」

「お父さんは、人格形成の上で、柔道は非常に優れていると思うし、体も強くなるしね。パレストラもいいが、一度やめてるからな。まだだめだな。よほど、続ける意志と環境が整わないとな。」

「はい」

「ただ、柔道はきついぞー。野球の比じゃないよ。野球はしょっちゅう休んでいるだろ?」

「休憩時間のことですか?」

「いや、試合のときで、ピッチャーでなければ、ボールがころがって来るまではボーっとたってりゃいいし、打順が回ってくるまではただ見てりゃいいんだろ?」

「はい」

「それにくらべると柔道は、お父さんは講道館の寒稽古に行ったけれども、5時半から6時半まで子供たちは、ずーと走ったり、受身をしたり、えびしたり、ケンケンしたり、そりゃもう、すごい運動量だったよ。先生も怒鳴ってたし、横で聞いていたお父さんのほうが怖くなったくらいだよ。お前が野球やりたいといってきたときには、お父さんもおじいちゃんも協調性がなく、チームプレーが苦手だったし、好きじゃないだけに意外だったよ。でもね、柔道と野球を比べた場合は、正直、野球のほうが、一人前の男になるためには、いいかな。と思っているんだよ。おおくの人に接して、もまれるしね。だから、野球をやらせているんだよ。どうだい。野球自体をやめたいかい?」

「いいえ。やめたくありません。」

「そうだな、出来れば続けたほうがいいな。お父さんも高校のときにラグビーを始めたけれども、走りこみがいやでいやでしょうがなかったよ。また、合気道をもっともっと練習したかったというのもあって、1年でラグビー部をやめたよ。でもね、いまだに後悔しているよ。何で、あと1年引退まで続けられなかったのかをね。ラグビーの強い学校だったし、うまい人もたくさんいたからおそらくレギュラーにはなれなかったと思う。でも、続けるべきだったともうよ。いまさらながらにね。やめたというのは自分に負けたようなものだからね。まぁ、後は自分で考えてごらん。」

「はい」

10時20分くらいから12時すぎまでしゃべくりまくった。
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のぞみちゃん
のぞみちゃん

距離感とか、接し方とか難しいですよね。
誠実にゆっくりと決め付けたりせず話を聞きながら・・・とか。
む〜んん、のぞみも子供を育てる、という段階になったらとっても迷うんだろうなと思います。
(しかしその状況になりそうなめども予定も一切ないですが・・・。)

蓮見
蓮見

のぞみちゃんへ
長々とした駄文をお読みいただき、かつ、コメントまでお寄せいただき、どうも有り難うございます。
子育てに関しては、日々、試行錯誤の連続です。ただ、子どもと過ごす時間というのは、とても楽しいものです。昨日も人生ゲームを家族でやり、約束手形を乱発せざるを得なくなった私を尻目に異様な盛り上がりを見せました。とても楽しく過ごせた半面、他人の不幸?を喜ぶ姿を見て子育てを間違えたかな?と思ったりもしました。

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