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信州極寒ツーリング1


あと半月もすれば春の気配だ。

この頃になるといつも思い出すのが、「信州雪の極寒ツーリング」である。それはO君とバイク2台の旅であった。

この旅の経験があったればこそ少々の寒さは我慢できるという話です。



その前に、O君については不思議な縁がある。

彼とは小学校の友人で、引越のため中学以降の付き合いは無くなったが、ある偶然から18歳の時再会した。

池袋で同じ高校卒業の浪人仲間と予備校の帰りに歩いていた時だった。

その友人の一人が正面から来る学生らしい男に声を掛けたと思ったら、今度はその学生が僕に声を掛けた。「えっ!?」と言うなり3人で目を合わせた。

友達の友達はなんとやらで、お互いの友達がかつての友達という不思議な再会である。

「おまえ、何で彼をを知ってるの」「中学の同級生だよ」。
「じゃ『無限力』お前は?」「小学校の友達だけど」。

高校時代の友人が、かつて引っ越して行った小学校の同級生のO君と知り合いだったとはまさしく偶然である。

類は友を呼んだのか、波長の法則か。これをきっかけにまたO君と付き合い始め、後にツーリング仲間にもなった。


そして、その彼と今回の旅である。


ところで、いつも春の気配が漂うこの時期、僕は旅に出たくなる。

もちろん春の気配を感じたとしても、実際に旅に出れば季節はまだ冬のまっ最中だ。


「今回は小諸までツーリングに行くんだが、君も行くか? ただしビジネスホテルを予約してるんで、他に空きがあるか分からんが」。彼はOKし、部屋も難なく取れた。


移動性高気圧の張り出した春のうららかな陽ざしのなか、彼の真っ赤なVFR750とともに、一路国道17号線を北上した。楽しかった。

高崎から18号線に入り、途中、安中あたりで梅の香りに春を感じながら左手に妙義山を見ると、なんだか中国の水墨画の世界に足を踏み入れたようなそんな感覚に陥った。

当時初心者の僕は、度重なるワインディングに閉口したが、峠を得意とする彼は、碓氷峠を難なく上って行く。

ようやく小諸に着くと、多少日が延びたとはいえやはり寒いので、さっさとチェックインをして風呂に入った。


その晩、人の顔を見ながら酒を飲まされている感じの、やたら混んでる窮屈な居酒屋で酒を飲み、たいして面白くもないので、さっさと宿に帰って寝てしまった。

何のために来たのやらと彼は、またホテルを抜け出してひとり遊び歩いたらしいが、誘った本人は部屋で就寝である。誠に申し訳ない。

そして翌朝、彼からの電話で起こされた。



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