お小遣い

盆踊り大好き　のの吉さん。
以前は焼きそばを食べて
踊って、踊って、踊りまくっていたのに
今年は出店にも興味を示しだした。
前回の盆踊りの時
『あれ買って』
『あれ食べたい』
『ゲームしたい』
『あれ、あれ、あれ…』
パパからママからせびる。
…ということで
今回はお小遣い制にしようと思い立った。
「ののちゃん、今日はこのお金<500>で遊んでね。無くなったらおしまいだからね」
『分かった』
大事に巾着にしまい、いざ盆踊り会場へ。
姫と約束をして早く出過ぎたせいかだーれも踊っていない。
お小遣いをもらった　のの吉さんはキモチが大きい。
『おもちゃ買ってくる』
「さっそくですか！？」
パパと買いに行くと　のの大好きの姫がついて行く。
『これ買ったぁ<300>』
　　＜同じものを買わされました＞
あぁ、ごめんなさい。
　『だじゅもほしい』
しかも　のの吉さんと同じピンクのステッキ。
　「えー！？」
パパの説得により購入はしなかったけれどね。
のの吉さんはと言えば
『スーパーボールやる<50>』
『わなげやる<50>』
『焼きそば食べたい』
早く踊り出して〜。
焼きそばを食べている途中で
ようやく始まった踊りの輪の中へ入り込む。
姫も一緒に念願の焼きそばを放棄して　のの吉さんに従う。
踊っている途中でまた
『スーパーボールがやりたい<50>』
『かき氷が食べたい』
「ののちゃん残念…。さっきスーパーボールやっちゃったから50円足りないよ」
『…』
残念そうな　のの吉さん。
「じゃあ、次の時に使いなさい」
『もう一回スーパーボールやる』
「別に使い切らなくてもいいのに」
お小遣いを渡したことがないからかキモチがいやに大きい。
「そろそろ帰ろうか」
『もっと何かやりたかったな』
　
追記
「そういえば　ののから焼きそばのお金もらってないね＾＾」
　「あははは。そうだ」
すっかり焼きそば代100円をもらい忘れていました。