【 土踏まずの痛み 】
足の土踏まず付近や、踵(かかと)に起きる痛みの中で、ポピュラーな疾患として、足底腱膜炎(または足底筋膜炎)があります。
足底腱膜とは、踵(かかと)の骨から足の指へ広がる、強靭な腱の膜です。
この腱膜によって、足の土踏まず(アーチ)を支え、これによって、安定的に体重を支えたり、地面からの衝撃を吸収したり、しています。
ところが、この腱膜に、強い負荷がかかり過ぎて、ギュッと過度に引っ張られると、微細な断裂が生じ、痛みが発生します。
これが、足底腱膜炎です。
歩き始めの一歩目を踏み出した時に、足裏に｢ズキン！｣と痛みが起きるのが、大きな特徴で、腫れや、赤みといった、見た目でわかる症状はありません。
痛むと、足の裏や指の付け根が、いつまでもジンジンと痛んだり、足の裏に熱を持っているように感じたりして、不快で異常な感覚がします。
特に痛みを感じるのが、朝起きて、立ち上がろうと、足を床に着いた途端に、突然｢ズキン！｣と感じる、鋭い痛みです。
寝ている間、修復しかけていた足裏の断裂が、立った時に圧迫されて、再び裂け目ができた為です。
足底腱膜炎を起こす原因として、『足底腱膜の柔軟性の低下』や『足の指の筋力低下』があります。
例えば、スポーツや登山・旅行で足の負荷オーバー、仕事で長時間立ちっぱなし、歩き続け、などです。
同じ理由で、硬い革靴を履いて歩き続ける、重いカバンを持ち続ける、あるいは、長引く腰の痛みや疲れなどによる足底への負荷、なども多くなっています。
また、気が付かないうちに、足底腱膜炎を起こしている事もあります。
加齢で筋力が弱ったり、歩く事の少ない生活をしていたりすると、少し歩いただけでも、大きな負荷となってしまうからです。
また、女性の場合、妊娠時の体重増加、長時間の幼児の抱っこ、仕事を終えて家に戻ってからの炊事や掃除(立ち仕事)、更年期以降の姿勢の変化などで、気付いたら、痛んでいる事があります。
【 踵の痛みも 】
足底腱膜炎の初期のうちは、足裏に痛みを感じても、歩いているうちに、痛みが徐々に落ち着いてきます。
足底腱膜の全体が伸び、修復が繰り返されるので、断裂が減少する為です。
しかし、この状態を、何度も繰り返していると、慢性化したり、痛みが酷くなったりします。
更に、この状態を続けてしまうと、今度は、踵にも、ピリッとするような、強い痛みを感じるようになります。
足底腱膜が、踵の骨に付着しているので、何度も、強く引っ張られると、踵の骨の表面に、とげのような突起(骨棘)ができる為です。
歩いたり、立ったりするたびに、骨棘に体重がかかるので、激痛が走り、痛みが続くようになります。
この段階になると、治療を受けても、なかなか改善されません。
湿布を貼ったり、痛み止めを飲んだり、痛い部分をくりぬいたインソールを使う事や、足裏へのテーピングなどで、痛みの和らぎを待つ、保存療法が中心になる為です。
それでも改善されない場合は、まれに、手術になります。
この為、足裏に、繰り返し痛みが起きる事に気付いたら、早めに検査を受ける事が大切です。
足にかかる荷重が、ゆっくり歩く時でも体重の1.2倍、走っている時は約3倍にもなるからです。
何気ない普段の生活でも、症状が進行してしまいます。
【 下半身ケアの必要性 】
足底腱膜症を起こすと、痛みを感じている足裏の筋肉が、固くなっています。
これは、歩き過ぎや、硬い床の上に長時間立って仕事をするなどで、下半身の緊張や疲労から、足裏に影響を与え、足裏の筋肉が過度に引っ張られた為です。
あるいは、下半身に緊張や疲労が続き、身体のバランスをとる為に、脚のふくらはぎからアキレス腱にかけて、極度に疲労や緊張が高まり、足裏に、かなりイレギュラーな負荷やストレスがかかった為です。
この事から、本人も、足裏に痛みを感じるだけでなく、ふくらはぎが硬いとか、脚全体がダルイ、腰の鈍痛などを、感じている事が多くなっています。
この為、足底腱膜症は、足裏の腱膜に炎症を起こしているというよりは、実際は、足裏に、負荷が繰り返しかかった痛みと言うほうが、実態に合っています。
このタイプの足底腱膜炎には、足裏やふくらはぎだけでなく、腰から下の下半身全体の、緊張や疲労を解消させる事が大事です。
このような、筋肉のオーバーワークによる痛みの解消には、マッサージによる治療が、効果的で、即効性があります。
下半身全体の筋肉の柔軟性を回復させてから、足底に続く、アキレス腱のコワバッタ緊張を解消させていくと、足裏の筋肉や腱の緊張が解消されて、元の自然な柔軟性が回復してきます。
初期の段階ならば、下半身の筋肉の硬直を解消させるだけでも、足裏の腱膜の負荷が減り、１回の治療でも、痛みが軽減します。
患者も、足底のコワバリが減少してくると、血行が良くなってくるのを感じ、痛みが減少してくる事が分かります。
足裏の痛み解消には、足裏やふくらはぎだけでなく、下半身全体のケアが重要です。
当院は、脚の疲労や緊張を解消させ、血流や柔軟性を回復し、痛みの解消治療を行っています。
マッサージの施術時間は、15分からです。 ご相談は、[メール]、または[電話]で、お受けしています。
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