妊娠して、お腹が大きくなると、腰やお尻が、「立っていると痛い」、「横になっても痛む」、「痛くて寝返りが打てない」など、苦痛を訴える妊婦さんが多くなります。
始めは、腰やお尻の筋肉に、何となく鈍い痛みを感じる程度だったものが、ある日突然、ひきつったようになり、強い痛みやしびれなどを感じるようになるからです。
このような痛みは、妊娠中にはよく見られる痛みで、決して珍しい事ではありませんが、痛みを放っておくと、それが産後まで続いてしまう事があります。
【 腰の筋肉痛と、お尻の神経痛 】
これらの妊婦さんの腰やお尻の痛みは、腰や骨盤周囲の筋肉に、大きな負荷がかかり、筋肉が過緊張から、“血行の悪化”を起こした為です。
背景には、出産に向けて骨盤の関節を弛めるホルモンが分泌される事や、お腹が大きくなり体重も増してくるので、姿勢の変化から、腰やお尻の筋力が、今まで以上に必要とされる事があります。
腰やお尻の筋肉が、身体を支えようと頑張っても、血行が悪化しているので、必要な酸素や栄養の補給が不足し、疲労物質が溜まるので、筋力が耐え切れず、不快な痛みが起きます。
更に、お尻の痛みは、お尻から太ももに伸びる坐骨神経が、圧迫されて、痛み出している事があります。
よくあるのが、「腰に、疲れや痛みが増してきたと思っていたら、お尻や太ももの裏の方が、ピリピリとした痛み出した…」、という症状です。
日に日に大きくなってくるお腹の重みから、姿勢が悪くなり、お尻の筋肉の負担が増えて、坐骨神経が圧迫されたり、坐骨神経への血行が悪くなったりして、神経から痛みを発した為です。
このような腰やお尻の痛みの悩みは、妊婦さんの50%~80%が経験します。
しかも、悩みを相談しても、多くの妊婦さんが経験するので、「多少の腰痛は、妊娠したら当たり前!」と、思われがちです。
このような事から、痛みが一日中気になると、安眠ができなくなったり、気分が不安定になったりして、些細な事にイライラしたり、不機嫌になったりしてしまいます。
【 痛みを和らげる為に 】
妊娠中の腰やお尻の痛みは、腰やお尻の筋肉に、絶えず体重がかかるので、何もしていなくても痛み起き易く、時には、神経が過敏になっているので、ズキっと激しく痛みが起切る事もあります。
また、お腹が大きくなると、寝苦しく感じたり、大きくなった子宮が膀胱を圧迫して頻尿になったりするので、眠りが浅くなり、気が休まらなくなるのも、痛みを増す原因になります。
そして、心身の緊張が続くと、肩こりや背部痛、身体のコワバリ、などが強まり、不快感がますだけでなく、腰にとって、大きな負荷になります。
更に、今の時代は、“働く妊婦さん”が多くなっているので、身体の負担が余計に増して、いろいろな症状に、悩まされるようになります。
例えば、立ち仕事で、脚のむくみや腰の痛みが増したり、ずっと座り仕事をしているので、肩こり、頭痛、背中の痛みなども、強まったりします。
しかし、「仕事の為!」と思って無理してしまうので、疲労が増し、妊娠中の辛さが助長されます。
この為、妊娠中は、改善できるものは改善し、不快な緊張や痛みを最小限にして、健康状態を保つ事が、一番大事です。
特に、妊娠・出産時にかかわる、不快な症状のほとんどが、血液循環やリンパの流れの悪化によるものなので、これらの症状を抑制する為にも、循環を良くする事が大切です。
このような症状を改善させ、快適にマタニティライフを送る為に、副作用の無い、妊婦さん用のマッサージ治療が、昔から、利用されています。
【 妊娠中の妊婦さんのマッサージ 】
妊婦さん用のマッサージは、基本的に、リンパや血の流れを促進したり、筋肉をほぐしたりして、身体の不調や不快感を解消させる事を、目的にしています。
妊婦さんの筋肉を効率よく緩めて、血行を良くする事で、身体の疲労物質を減少させ、栄養や酸素を、身体に行き渡らせるようにします。
これによって、むくみや肩こり、腰痛、冷え、骨盤周りの痛みなどの、妊婦さんに起きやすい症状を、緩和させます。
また、妊婦さん用のマッサージでは、妊婦さんが、安心してマッサージを受けられるように、一般のマッサージと違って、“うつ伏せ”の姿勢はとらず、“横向き”と“上向き”で行います。
この姿勢は、重たいお腹が腰に載らないので、血行が保たれ、身体的に楽なので、気分的にリラックスでき、妊婦さんにとって最適な姿勢です。
妊婦さんの腰やお尻の痛みも、この姿勢で、施術を行います。
妊婦さん用のマッサージは、正しい知識があれば、危険はありませんので、国家資格『あん摩・マッサージ・指圧師免許』の取得者のいる治療院で、受ける事をお勧めします。
(注:接骨院や整骨院では、本来、外傷を応急処置する為の資格で、マッサージを行う資格ではないので、断られる事があります。)
また、国家資格のいる治療院での、かかった費用は、医療費控除の対象になる医療費の扱いになります。
【 症例(30代の妊婦さんの、腰とお尻の痛み)】
〇 患者
・30代、妊娠7カ月目
〇 主訴
・妊娠5ヶ月目あたりから、腰に重ダルサと痛み
・歩く時や、仰向けに寝たりすると、お尻にズキンと痛む
・立ち上がりや、キッチンの仕事がつらくなる
〇 過去の治療
・産婦人科では、湿布薬の処方のみ
・接骨院では、治療を断られる
〇 当院での検査
・右側の腰とお尻に、筋肉の緊張
・お尻の下部に、坐骨神経の反応点あり
・腰や脚の動作には、異常なし
〇 当院の所見
・赤ちゃんの成長や体重の増加に伴う、腰とお尻の過緊張
・お尻から太もも後ろ側に、坐骨神経痛の症状あり
・筋肉の過緊張が原因なので、妊婦さん用のマッサージ治療を勧める
〇 当院での治療
・お腹を圧迫しないように、"横向き"と"上向き"で施術
・緊張している筋肉に、マッサージとストレッチを併用し、緊張を弛める
・治療を数回行い、痛みを解消
妊娠中だけでなく、出産後の赤ちゃんの世話が続くので、妊婦さんの体調管理が大切です。
当院は、リラックスして施術が受けられるように、カーテンで仕切った個室で、妊婦さん向けのマッサージを行っています。
マッサージの施術時間は、15分からです。 ご相談は、[メール]、または[電話]で、お受けしています。
(HP)
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