女性の場合、40歳代前半までは血圧が低くても、更年期前後から、急に血圧が上がる傾向があります。
これを、『更年期高血圧』と呼びます。
女性ホルモンが減少してくると、血圧をコントロールしている自律神経が変動し易くなるので、それに伴って、血圧が不安定になる為です。
【 変動し易い、更年期の血圧 】
『更年期高血圧』の特徴として、上と下の血圧が両方とも高くなる事と、血圧上昇時に脈が早くなる事があります。
更年期には、めまい、動悸、イライラ、頭痛、ほてり、などの症状が現れますが、これは、女性ホルモンのエストロゲンが減少し、ホルモンバランスが乱れてくるのが原因です。
ところが、『更年期高血圧』の場合には、頭に血が上ったようになり、胸がドキドキして、血圧が上がってしまいます。
この血圧を上げてしまう背景として、この時期の不安やストレスが、大きく関係しています。
めまいや動悸が起きると、更年期に起き易い症状と分かっていても、非常に強い不安や緊張を感じたり、気分的にイライラしたりして、ストレスが高まってしまうからです。
しかも、この時期は、子どもの就職や独立、夫の定年、親の介護など、環境が大きく変わってくるので、メンタル面で、不安やストレスが増し易くなっています。
更に、血圧が上昇し易くなるのは、血圧上昇によって、不安やス トレス感が増すので、悪循環となります。
日常のちょっとした事に苛立ったり、睡眠不足になったりすると、急に血圧が高くなります。
血圧が上昇し易い状態になると、本人が気づかない“早朝”に血圧が上昇し、心血管疾患のリスクを高める危険性もあります。
【 慢性的な高血圧に 】
通常、｢高血圧は、自覚症状がほとんど無い｣と言われていますが、気をつけていると、気になる兆候を感じます。
例えば、｢首スジから肩にかけて、どうもスッキリしない｣とか、｢重ダルサさやコワバリを、感じるようになった｣、などの『凝り症状』です。
また、今まで経験の無かった肩こりが起きたり、酷くなったりする場合も、血液の循環が悪くなっている可能性があります。
これは、自律神経の働きが不安定になると、身体に緊張や興奮が続き、知らず知らずのうちに、筋肉が硬くなってくる為です。
しかも、加齢や運動不足で、筋肉の働きが弱ると、ますます血管の“しなやかさ”が無くなります。
何も対策をとらないと、55歳ぐらいから本格的な高血圧へと進んでしまいます。
更に、自律神経の変動が大きくなるので、体調が悪くなったり、疲れが溜まったりするので、これも、血圧の上昇をもたらします。
自律神経の緊張を高める作用から、筋肉が硬くなってくるので、慢性的に血管が圧迫をうけるようになるからです。
この状態が続くと、血圧が上がり易い状態となって、慢性的な高血圧になってしまいます。
【 医院では 】
医院の治療では、薬の処方と共に、食生活や運動習慣などの、生活指導がされます。
これは、薬による治療法は、簡単で、即効性がありますが、根本的に治す事ができない為です。
例えば、薬の服用によって、血圧を下げる事ができても、根本的に治す事ができないので、服用を中止すると、再び血圧が上昇してしまいます。
この為、ストレスの解消を心がけて、心と身体の両方に、負担のかからない生活に改善する事、バランスのとれた食生活や、適度な運動が勧められます。
上が140～159、下が90～99mmHgの範囲であれば、運動と食事だけでも、薬を使わずに、血圧を下げられる事もあります。
特に、適度な運動は、筋肉にたくさんの酸素や栄養を運ぶので、血管が広がり、血圧を上げようとする神経の緊張を、緩和させる働きがあります。
しかし、更年期になると、身体の筋肉は、運動不足や姿勢の悪さ、加齢などで、硬くなっているのが実情です。
適度な運動をしようとしても、運動がしづらいので、継続が難しくなります。
また、運動の効果は、すぐには現れないので、飽きてしまい、途中でやめてしまいがちです。
【 更年期高血圧の対策 】
この為、体調や血圧対策に、気になる兆候から、体調を確認したり、体調を整えたりする事が重要です。
更年期になると、血流が低下したり、身体の柔軟性が無くなったりするので、身体に不調を感じ易くなるからです。
このような場合に、血液の循環を促進し、身体の柔軟性を回復させると、次第に、身体の各部の機能が働くようになり、身体の不快感も、それに合わせて減少し、血圧が安定してきます。
例えば、『肩こり症状』や『疲労感』に悩まされている女性は、｢頭が重くて、気分がふさぐ｣といった、頭重感による不快感が多く見られます。
そして、頭や首筋が重くなってくると、不快感が増し、血圧を上昇させてしまいます。
このような場合に、マッサージ治療で、首筋や肩の筋肉の硬直を解消させ、柔軟性を回復させると、気分的に楽になり、血圧を安定させる働きをします。
また、マッサージ治療で、下半身の柔軟性を回復させておく事も、『更年期高血圧』の対策にも効果的です。
これは、重力の影響によって、下半身には70%の血液が集まるので、下半身の柔軟性が失われてくると、血行が停滞してしまう為です。
この場合も、ふくらはぎを中心にマッサージをすると、ふくらはぎのポンプ作用が活性化し、血流を改善する事が出来ます。
体調を整え、高血圧を招く緊張状態を和らげるには、ツボ刺激を併用したマッサージ治療が効果的です。
当院では、こりや痛みだけでなく、筋緊張やそれに伴う硬結、不快感、疲労感、疼痛などを解消する治療を行っています。
マッサージの施術時間は、15分からです。 ご相談は、[メール]、または[電話]で、お受けしています。
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